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海外貿易から読む戦国時代【行者の聴いた観た読んだ】

 日本の戦国時代を大航海時代の世界交易という視点から見た「海外貿易から読む戦国時代」。主として織田信長の事跡からいわゆる南蛮渡来の文物が如何に戦国時代に影響を与えたかが語られている。  

 本書を著者は武光誠氏。氏の著作は二作目だが、読みやすい上にいい意味での衒いがあって中々面白い。反面において、実証的であるか、という点については幾分不満の残るところであるが。本書のタイトルどおりのことを大雑把に知るには好ましい著作である。

 

 本書の記述において特に興味深かった箇所としては、農業生産性の向上が富の蓄積と余剰を生み、これが国内においての戦国時代を「可能」とし、さらにはその果実としての「統一」そして、さらにはその矛先を海外に向けるというプロセスがポルトガル、スペインそして時期をずらして日本で同様にして起こったということ。これに「銃=最新のテクノロジー」というものが深く関わったということ。

 信長、秀吉の海外への野望は、スペイン・ポルトガルの反復と見ることができる。

 また、見落としがちなことであるが、「銃」の運用には当然ながら「弾」と「火薬」が必要であり、これの調達こそが戦国の覇者を決めたという一つの事実、これも改めて成る程と思った。

 ところで、大航海時代の征服主義と後の植民地主義との違い、その中にあって日本がどのような状況を迎えることになったのか、この点も興味深い。

 本書では具体的な言及はされていないが収奪から殖民へと推移した西欧の海外政策において、その下地にある交易関係を慎重かつ限定的なものにした秀吉・家康の判断は、日本史におけるファインプレーだったかも知れない。

 徳川幕府による鎖国は交易権の独占という側面が強いようであるが、本書によれば秀吉政権下での禁教令は長崎にあった教会領への危惧の表れということだ。

 それにしても、教皇子午線なるものを設定してしまう、当時のキリスト教国の野蛮さについては、閉口してしまう。この当時の「良識ある」人々はこのようなものをどう評価したのであろうか。亦、今日の常識は600年後にどう評価されるのだろうか。

 ところで、過去の歴史を現代的課題から読み直すということは、繰り返し行われているところであるが、戦国時代とグローバリズムと重ねてみるものを少なからず目にする。これも流行であろうか。

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