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書評「薩摩燃ゆ」【行者の聴いた観た読んだ】

 司馬遼の衣鉢を継ぐもの(というと言い過ぎでしょうか)、安部龍太郎の『薩摩燃ゆ』をしばらく前に読了。情景描写、心理描写、薀蓄に男意気、女の色香と豊饒さ。異説をベースにした安部龍エンターテイメントを堪能しました。

 この『薩摩燃ゆ』の主人公は、薩摩藩家老の調所”笑左衛門”広郷。薩摩藩500万両の借金を「無利子で250年分割払い」というジャパネットも仰天のを約定を取り付けた豪腕ぶりや、「黒糖地獄」と呼ばれる大島・徳之島などから取れる黒砂糖の専売制確立、清国との密貿易など、ともすると負のイメージが付きまとう人物です。

いわゆる、お由羅騒動と呼ばれるお家騒動でも、英明な島津斉彬(西郷隆盛、大久保利通を引き上げた名君)と対立した島津斉興・久光に組したということも彼の評価に水を差しているようです。(作品中では、実は笑左衛門は斉彬派であった、という異説が採られています。)

 本作では、旧主「高輪下馬将軍」こと島津重郷の遺志を継いで、来るべき時代の為に薩摩藩を雄藩とすべく、なりふりかまわず邁進する笑左衛門の姿をドラマティックに描いています。

 

笑左衛門の行動原理はすべて重郷の遺志を実現すること。非合法を覚悟で改革を進める笑左衛門の前には様々な困難と災厄が。途方もない現実に挫けそうになるたび、笑左衛門は、重郷の「笑左、泣くな。笑え」の言葉を思い出し、わが身を奮い立たせるのでありました。そして最後には悲劇が、、、

 文化文政期、やがて来る幕末という大変革の黎明期を生きた調所笑左衛門。清濁併せ呑み、ひたすら働いて、自ら命を絶った古武士に思う。

 この男なくして明治維新は無かったと。

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