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映画『ダークナイト』レビュー【行者の聴いた観た読んだ】

 故人・ヒースレジャーの怪演が光る本作。暗い読後感を残すこの物語の中で最も強い印象を受けた点は、悪意の象徴、ジョーカーの協力者が後を絶たないという こと。バットマンがジョーカーを追い詰めても追い詰めても、彼は彼に従う者と連携して、巧みに反撃をする。その在りようは、あたかも掃討戦におけるゲリ ラ、民兵の趣である。次から次へと現れる『敵』にバットマンは、絶望する、自分の存在が彼らを生むのかと。

 評論の中には、本作のバットマン(私設自警団)をアメリカ合衆国(自称・世界の警察)と準(なぞら)えるものもあるが、

これに従えば、エンディン グのくだりは自らのやり方を未だに正当化したいということか。たとえば、熱血検察官を国連に例えるならば、正義の戦いにおける負の側面は、アメリカが引き 受けるというヒロイズムか。殲滅ではない、解決への別のアプローチが求められるように思う。

最後にシド・ビシャスを意識したというヒースレジャーのジョーカー。それはジャックニコルソンのそれとは異なり、完全なる狂人であった。完全なる 狂人とは何か。それはまったく別のルール、別の倫理感に従う正気の人間である。彼らは我々の理解の外にあり、我々の理解の中での錯乱者ではない。我々、つ まりアメリカ的なモノの外あるもの、これが何を象徴してるかは、語るまでもない。

時に静かに内省的な表情をみせたジョーカーの破滅的なメークが忘れられない。本作のジョーカーは、『悪』役として、また一つの象徴として映画史に永遠に刻まれるだろう。役を受け入れ、役に殉じた若き名優にご冥福を。

本作の詳細はこちらで → ダークナイト@映画生活

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» ダークナイト [象のロケット]
表の顔は巨大企業のトップでありながら、法の外で悪と戦うバットマンことブルース・ウェインに最強の敵が現れた。 目的もなくただ犯罪に遊び狂う、白塗りの顔に耳まで裂けた赤い口のイカレた悪党ジョーカー。 元恋人レイチェルや彼女の新しい恋人、新任検事ハービーにも魔の手が…。 ゴッサム市民の危機! ヒーロー・アクション。... [続きを読む]

受信: 2008/09/11 13:07

» ダークナイト(2回目)★★★★☆+劇場64本目:素晴らしい作品... [kaoritalyたる所以]
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受信: 2008/09/12 07:34

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受信: 2008/09/15 12:53

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'08.09.14 『ダークナイト』@サロンパスルーブル丸の内 これは気になった。ヒース・レジャーがジョーカーを演じて、その演技が絶賛されていること、そして本作が彼の遺作になってしまったことが理由。特別ファンではなかったけれど、演技派俳優の最期の演技を劇場で見て...... [続きを読む]

受信: 2008/09/22 02:13

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