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OL三国志演義【忍び寄る黄色い影第三段】

~ OL三国志演義 第一部【イエロースカーフの乱】 第二幕 【忍び寄る黄色い影・第3段】

Sangosuki006
 「じゃ、改めて、かんぱーい!」

 十五の酒盃が掲げられた。張本翼は勢いよく生ジョッキを、彼女の同期の男子、中条のグラスにぶつけた。同期会をお流れにして、派遣女子社員イエロース カーフらとコンパをしていた中条に対して、「この色男!」と言わんばかりの表情の張本翼。

 中条は苦笑いともとれる微笑を見せたが、当世の若者らし く、乾杯の後の拍手の際には、「ホォウ!」と無意味な景気づけの声を上げたてみせた。盛り上がりを演出しているつもりなのだろう。

  他の者も隣や正面の者と盃を合わせている。イエロースカーフと張本翼 の同期男子らの合コンは、玄田徳子、関長子、張本翼の義姉妹三人を加えて、十五人が参加する宴会と化したのである。

 これは玄田徳子、関長子と飲んでいた張本翼が、たまたま同じ店でイエロースカーフとコンパをしている同期男子を発見し、強引ながらもその宴席に自分達三人も【参戦】したためだ。

玄田徳子と関長子は、当初、合コンに乱入せんとする張本翼を制止したが、

 ちょうどイエロースカーフに関してクダを巻いていたところだったので、この際、彼女らの実態を見定めてやろうと思い直し、恥をしのんで後輩らの合コンの加わったのだ。

 それにしても、張本翼の豪腕ぶりときたら。同期の男子らの姿を確認するや、手洗いと称しては再三にわたり化粧室に向かうフリをして、彼らの視界にわざとらしく自分の姿をアピールし、ついには男子らに自分を無理やり【発見】させて、見事、「いっしょに飲まない?」と言わしたのだから、大したものだ。色恋の道に、テレなど何んの意味もないことを張本翼は教えてくれると、玄田徳子は関心した。

 乾杯の後、十五人の参加者が軽く自己紹介をするところから、宴会は仕切り直された。まずは、玄田徳子と関長子が名前及び採用年次と配属、担当業務を言った。これに続いた張本翼は、どういうわけか、小さな声でハニカミながら自己紹介をした。同期の男子連中は、張本翼が酒豪にして酒乱であることは先刻承知なのだろうから、ほとんど無意味な演出なのだが、とりあえず男の前では一度は可愛い子ぶるのが、張本翼の習性なのだろう。

 義姉妹三人の自己紹介に続き、中条ら張本翼の同期男子らも一通り自己紹介をした。最近の若い男は、皆似たような顔をしているなと玄田徳子は思った。そして、いよいよイエロースカーフらの自己紹介の番になった。最初に銀縁メガネのストレートヘヤ-のOLが挨拶を始めた。

 「角田と申します。太平スタッフから派遣で営業一部に来ています。菅コーポレーションに来る前は、派遣で製薬会社で二年間働いておりました。」

 比較的地味な配色とシルエットながらも、素材の高級感が一目して分かるスーツには、トレンドも、さりげなく取り入れられている。イエロースカーフのリーダー格とおぼしき角田は、知性と大人の色気を感じさせるOLだった。角田の後に、梁田や宝田ら残り5人のイエロースカーフが続々と自己紹介を行った。 

 どのOLも上品かつ清潔感のある印象で、無謀な派手さとパンチの効いたファッションが売り物の張本翼とは対極をなしていた。あるいは会社から、派遣先に好印象を持たれるように徹底されているのかも知れない。そして、首には皆そろいのスカーフを巻いている。

 自己紹介が終わり、フリートークの時間になった。総勢十五名の宴会は、自然、いくつかの小グループに分かれて話すことになったが、玄田徳子ら三人の義姉妹とイエロースカーフの首魁、角田は席が近かったので、同じグループになっていた。

 玄田徳子ら女子は、男子らがリードする会話に相づちを打ったり、質問をしたりして話を転がしていたが、角田はそれが常に的確なばかりか、どうも社内の事情にも詳しいようで、男子らに有益な情報提供を行っていた。玄田徳子は、派遣社員がどうしてそのような内部の話に通じているのだろうかと思った。

 角田の存在が際立つ反面、義姉妹三人の存在感はくすんでいた。美貌のスレンダー、関長子のルックスは、【つかみ】には強力なものがあり、当初は男子らの注目を大いに集めたが、不必要に媚びない彼女は、男を見下したような倣岸な態度に映り、男子らはかえって煙たく感じているようだ。また、カワイイ系の聞き上手、玄田徳子の土俵は、二次会の少人数&プライベートトークなので、一次会の今は、相づちを打つばかりで、どうも埋没してしまっている。

 張本翼の、はちきれそうなナイスバディが活躍するのも、男どもに酔いが相当に回ってからであって、今は、彼らのスケベ心をくすぐるものの、一次会を支配するには至っていない。特に今、飲んでいる男子は張本翼の同輩たちである。「同期の女子に惚れてなるものか」という、妙な男のプライドが、この場における張本翼の魅力を半減させてしまっていた。

 「私、ちょっと、、、」

 玄田徳子が関長子に目配せをしながら、トイレに中座した。宴席には張本翼一人を残して、これに関長子も続いた。化粧室で緊急の軍議である。

  「なんか、、、ワタシら、やっぱりお邪魔やったかなあ、、、」

 玄田徳子は、口紅を直しながら、関長子に言った。

 「というと?」

 関長子は、長い髪をかきあげ、アイラインの具合を確かめながら言った。

 「何か、問題でもありますか?姉上。」

 「モンダイ、ってほどのことじゃないけど、、、ワタシらの席、あんまり話が盛り上がっていないというか、、、」

 「私が男子と飲む時は、いつもあんなものですよ。フフッ。」

 関長子は玄田徳子の迷いを一蹴した。そう言われると、玄田徳子も後輩の男子に阿(おもね)るのもバカくさくなり、ここはイエロースカーフらの様子を押さえるだけで十分だと思った。関長子が言う噂話、イエロースカーフらの男子らを逸らさないトークぶりを、聞かせてもらおうではないか。

 今夜はそれで十分。納得した玄田徳子が、化粧室からテーブルに戻ると、張本翼が口角泡を飛ばして、懸命に話をしている最中だった。その内容はほとんど下ネタと言ってもいいもので、イエロースカーフへの劣勢を覆そうと、早くも十八番のお色気殺法を繰り出しているではないか。

 しかし、デキあがっていない男子を相手に、午後8時半から猥談はマズい。男子達は凍てついた笑いを浮かべ、いわゆる「引いている」状態にあった。イエロースカーフらが、「うそぉ~」「すごーい」と合いの手を入れる度に、張本翼の痛々しさが増す。イエロースカーフとの緒戦に、義姉妹は早くも劣勢に立たされていたのである。

(次回につづく)

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