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天水【行者の聴いた観た読んだ】

 モデルガン集めの趣味が昂じて 本物の拳銃を所持して逮捕されたという異色の漫画化、花輪和一氏の近年の好著【天水】は、河童と母を捜す少女、棗(なつめ)の、中世を舞台にした冒険譚で人の心に宿る仏と鬼を見事に描い作品です。

 というと堅い内容を想像されるかも知れませんが、キャラクターの表情やコマとコマの間、そこから醸される独特の空気は、むしろユーモラスなもので、読み始めるとすぐにその独特の世界に引き込まれました。

 そして読み進めていくと、中高生の頃に古典の授業で中世の物語、例えば今昔物語のようなものを学んだ時に登場人物の思考回路や物語の結末に、どうも腑に落ちない感じ、違和感を覚えたことを思い出します。これは、中世の善悪や道徳観が今日とは違っているところに理由があると思うんですが、その不思議な感覚がこの天水を読んでいると甦ってきます。

 特に、悪さや悪戯(いたずら)をするモノノケやケダモノ達も、どこか間が抜けていて可笑しみのある描き方は秀逸です。が何より本作の魅力は、棗(なつめ)を思う河童さんのやさしさ、頼もしさ、そして愛らしさで、打算なく人と関わることの美しさを改めて思わされます。エンディングには涙しまっせ、ジッサイ。手垢にまみれた嫌いな言葉ですが、この作品、正に”癒し”です。因みに天水とは河童さんの頭の皿のこと。

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