« 私の花粉症対策と注意点【愚考の段】 | トップページ | テロリスト星人と70年代左翼【妄想の段】 »

ラブホテルのネーミングとデモクラシー【愚考の段】

hotel 本日は若干、色っぽい話になるが、ご承知いただきたい。私は浮ついた気分で書いているわけではない、むしろ憤っているのです。

 実は若い頃、気になっていたラブホテルがあった。その名前は「ふたり共和国」。ローマからでも学ぶべきか、ベットルームにいかなる共和制が成立するのか、にわかには想像できないが、ともかく印象的な屋号のラブホテルであったわけだが、ネーミングは、マーケティングにおいて最も重要な要素であり、それはラブホテル業界においても同様なのだろう。関東はいざしらず、ここ関西、大阪ではラブホテルの屋号も、その個性を大いに競い合っていたものだ。

 

「陽気なこびと」や「おとぼけビーバー」のような可愛らしい雰囲気のものから「ホテル伯爵」や「ホテル男爵」など厳かなものまで多様であった。しかし、これらの屋号には共通する特徴があったのだ。それは、そのネーミングが「非日常的のもの」にちなんでいたということである。

 「ホテル・かぼちゃの馬車」などはその典型で、このホテルに連れ込まれた婦女子は皆一様にシンデレラ気分になったものだろう。ホテルにチャックインし、そこで開始する行為の全般は日常とは離れたもので、俗に言う「ムード」のある無しは、日常の演出如何なのである。その意味で、まず第一に「ムード」を作るラブホテルの屋号、その重要性は疑いようがない。しかるに、昨今のラブホテルの屋号はどのようなあんばいになっているのか。私はネットを検索し、愕然とした。驚愕と憤懣の整理が上の表及びグラフである。

 ごらんの通り、圧倒的多数が「オシャレ系」60%強、これに続くのが「カワイイ系」で13%程度、あとは「アドベンチャー系」「ビジネス系」「色モン系」「皇帝(帝国)系」がそれぞれ10%も満たない結果となっている。

 これから生まれたままの姿に戻り、淫らを貪る(むさぼる)非日常に挑むのだという決意もなく、「おしゃれ感覚でライトなHをエンジョイ(*^O^*)/」と聞くと無性に腹が立ってくる。だいたい、Hなる表現もいただけない。その行為の重要性を糊塗するような表現に、私は疑義があるのだ。

 若い諸君らには、そんな無責任な言い様は是非とも避けていただきたい。むしろ、堂々と「まぐわる」とか「同志的結合」とか、その行為の重要性を意識できるような表現で、女性を口説いてもらいたいものだ。「次代を担う国民を作るために、同志よ、二人でまぐわろうではないか!」と説得されれば、多くの女性は、その心意気を諒として、きっと君達の呼びかけに応じてくれるだろう。実際に試してみて、私に報告するように。

 それはさておき、Hなる表現を世間に広め、浸透させた落語家の明石家さんま氏には猛省を促したい。いずれにせよ、卵が先か、鶏が先か、性交渉のH化つまりライト化は、ホテルのネーミングルールにも変容を与えたものと思われる。非日常を予感させるラブホテルの屋号は、無残なまでに後退したのだ。

 「帝国系」、エンペラー(皇帝=帝国)に対するアンチテーゼとして、ベットルームの共和制を主張した「ふたり共和国」。そのラブホテル史に果たした役割は大きかったものと言える。が、「ふたり共和国」によっって「帝国系」がほぼ壊滅した後には、カジュアルでオシャレな、いわば民主的なラブホテルが乱立することになったのだ。
 
 この「民主的な」ラブホテルの乱立に、現代社会のポピュリズム(大衆追従主義)を見るのは私だけだろうか。民主は衆愚に堕する危険を、常に有しているのである(了)

|

« 私の花粉症対策と注意点【愚考の段】 | トップページ | テロリスト星人と70年代左翼【妄想の段】 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ラブホテルのネーミングとデモクラシー【愚考の段】:

« 私の花粉症対策と注意点【愚考の段】 | トップページ | テロリスト星人と70年代左翼【妄想の段】 »